
本記事は、三ツ星塾名鑑編集部が、加藤京子氏のご経歴をもとに作成しています。
良い教育を支える労務環境とは|社会保険労務士・加藤京子氏のご経歴から
学習塾は、講師という「人」によって指導品質が大きく左右される事業です。保護者や生徒からは見えにくいものの、講師がどのような環境で働いているかは、指導の質や継続性に少なからず影響します。今回は、社会保険労務士として長年アセスメント業務や人材マネジメント支援に携わってきた加藤京子氏のご経歴をもとに、労務環境という切り口から見た組織運営についてご紹介します。
社会保険労務士/H・Rサポート代表
加藤 京子
青山学院大学文学部フランス文学科卒業。日商岩井株式会社(現・双日株式会社)入社後、社会保険労務士資格を取得し、人材アセスメントおよびチーフコンサルタントとして活動。管理職選抜・昇格審査などのアセスメント業務に従事し、部下育成に関する面談を18年間にわたり年間約100日実施。現在も、Z世代を中心とした若手人材との関係構築や育成について助言を行っている。著書に『部下からの逆パワハラで“もう無理”と思ったときに読む本』、『Z世代に嫌われる上司 嫌われない上司』(ぱる出版)ほか。
社会保険労務士の視点から見る、組織運営の土台
社会保険労務士としての専門性の中心にあるのは、雇用契約の明瞭さや労働条件の適正さ、法令遵守の状況といった、組織運営の土台となる労務面です。保護者や生徒からは、職場の労務環境は見えません。しかし、講師が安心して働ける環境かどうかは、指導の質や継続性に少なからず表れます。契約内容が曖昧であったり、労働条件に無理があったりする職場では離職が起こりやすく、結果として現場の質が不安定になりがちです。こうした「見えないリスク」に目を向けることは、組織運営において重要なポイントといえます。
若手人材のマネジメントという専門領域
加藤氏のキャリアのもう一つの特徴は、若手人材のマネジメントです。18年間、年間約100日という面談の実務は、管理職と部下の間に生まれるすれ違いの構造を数多く見てきた経験の積み重ねといえます。
学習塾のような組織においても、経営者や教室長と若手講師との間には、同様の課題が起こりやすい状況があります。特にZ世代のスタッフにとって働きやすい職場であるかどうかは、人材の定着率、ひいては現場の安定性に直結します。こうした世代間のマネジメントの視点は、組織運営を考えるうえで重要な要素の一つです。
組織運営における労務環境の重要性
合格実績や料金には目が向きやすい一方で、スタッフがどのような環境で働いているかにまで意識が及ぶことは多くありません。しかし、社会保険労務士の実務経験から見えてくる重要なポイントとして、以下のような点が挙げられます。
- 雇用契約が明瞭であるかどうか
- 労働条件が法令に沿って適正に整備されているかどうか
- 若手スタッフが長く働き続けられる組織運営がなされているかどうか
これらは、直接的な実績には表れないものの、組織の継続性や現場の質を支える重要な要素です。労務環境の整備を「規則を守るための作業」としてではなく、「良いサービスを持続的に提供するための経営基盤」として捉えること。それが、組織運営を考えるうえで大切な視点です。
